次年度の消費トレンドをまとめた「予測カレンダー」を参照しながら、Eコマース業界の2023年を考察します。

消費がデフレからインフレへ!「安売りしない」

2023年のネットショップ運営で最も大きな変化は、消費がデフレからインフレへとシフトである。特にネットショップは人件費や送料の高騰、物価高に大きな影響を受けるため、これからのEコマースの事業者は「高く売る」という販売方法に転換していかなければ、厳しくなると予測される。

勝ち抜くのは、高くても売れる事業者

動画やSNSの発信により、商品の付加価値を高めることがネットショップ運営の戦略において急務である。商品ページは“ポイントが付与される決済機能付きカート”となり、購入する理由がポイントが貯まるからの人も多いだろう。どれだけの人がこの商品がほしいから、高いお金を払ってでも購入したいと思っているだろうか。どれだけのファンがついているのだろうか。

2023年からは今まで以上にSNSや動画を駆使しなければ、適正な利益を確保できるネットショップ運営は難しくなる言われている。

このように2023年のEコマース業界は、消費者にどのように商品の価値を理解してもらい、高くても購入してもらうかが重要な分岐点となる。

服飾品や化粧品は需要回復に期待

巣ごもりの反動、旅行や外食に消費がもどってくる半面、衣料品やアクセサリー、化粧品は売り上げが急伸すると思われる。これらの商品のほとんどがコロナ前に購入したもので、トレンドとしては“型遅れ”になってしまうのが原因だ。
また一度味わったネットでの食料品の購入も引き続き、需要は増して言うだろう。

よって、2023年は新規顧客を獲得する機会が増えると予想する。3年ぶりの買い物になるため、何を購入したらよいか検討の範囲も広くなり、今まで手に取らなかった商品を手にすることが増えるだろう。コロナ禍で顧客を満足させるポイントが“購入時”ではなく、SNSの普及で“購入前”に重点が置かれるようになった。よって後から知ったものよりも”先に知った新しい出会い”に情報の鮮度があり、魅力が増す。そうような消費者インサイトをどれだけ販売戦略に組み込むかが今年からは最重要課題と予想する。

動画がネット販売の当たり前に

Eコマースで動画の重要性が高まる。みなさんはもうすでに取り組まれているかもしれない。
2020年頃から巣ごもり需要の拡大に伴いYouTubeなどの“動画コマース”が注目されていたが、その流れが2023年からは「動画がなければモノが売れない」というほど、Eコマース業界では重要視されるだろう。

大げさに聞こえるかもしれないが、このようなテキストや画像での販売とコロナ後の動画での訴求例で比べてみても、動画を使わずにネットでモノを売ること自体が難しくなることが見えてきた。

ファンに高く買ってもらう仕掛けの構築

「どうしてもこの商品が欲しい」という購入心理にもっていくこと、いわゆる「ファン化」が必要だ。2023年は売り手側と買い手側がコミュニケーション可能なライブコマースやTikTokライブを活用した売り方に注目が集まる。コスメのライブコマースでは、消費者インサイトをとらえた演出などただライブすればよいだけではなく、その画面の先にいる人がどんなことを求めているのか、その仕掛けがライブの醍醐味だ。

最後に、楽天の今後の使用に関して触れておこう。

楽天が“Amazon寄り”に?

楽天市場では、2023年からSKU(Stock keeping Unit)プロジェクトがスタート。1ページごとに複数のカートがつけられるようになり、売り方はAmazonに近くなる。早い段階でSKU対策を講じておいた方がいいだろう。特に利益率の低い商品や原材料費がかかる商品に関しては、これを機に商品ラインナップから外してしまうのも戦略である。

【主な変更例】

①価格違いの同じ商品を比較しやすくなる

例えば、1商品の表示で同じ商品の他のパターン(色の違い等)を比較することができるようになる

②楽天市場内の検索結果を改善し、目当ての商品をより見つけやすくなる

Tシャツ・ブラックと検索した際に、より検索結果に合う最適な商品が表示されるようになる。

まとめ:EC業界は“向かい風”

2023年のEコマース業界は需要は高まるものの、外部的な要因としてのインフレの影響は否めない。ネットショップはインフレに弱く、新たな施策を打ち立てなければ、厳しい競争の中で生き残ることが難しくなる。

このようにSNSや動画でエンゲージメント率を高めるコンテンツとして優位性が高まるでしょう!

SNS運用や動画での集客方法をご相談したい方は、ぜひお問い合わせください!